貯金ができないというのは、収入と欲望のバランスが悪いということでもあります。お金と上手につき合っていくためには、このバランスを整えることが重要です。どのような時代であっても、どのような景気であっても兼ね備えておかなければならないもの、それが自制心です。あれもこれも欲しいなどと言って自分を抑制しなければ、いくらお金があっても足りませんし、ましてや貯金するなどとんでもない話です。収入に見合った欲望にするためにも、一番はじめに身につけたいのが、この自制心です。
基本的に借金などを背負わない限り、自分で稼いだお金は誰からも指図を受けることなく自由に使えます。だからこそ、自分で責任を持って自制をしながらお金を使っていかなければいけないのです。時に自分に厳しく、自らをコントロールしていくことが重要です。また、お金を大事にしない人は自分が人生の主役になっていない人が多いものです。言うならば、「物が主役で、自分が脇役」といったイメージです。本来は自分がステージの主役でなければならないのに、それができていないのです。だから、いつまで経っても自分の欲望を満たすことができず、お金の使い方のバランスを崩しがちになってしまうのです。人間は物のために生きているわけではなく、人生の主役は自分だということを間違えないことです。生活のバランスを保つためには、まず自分の家計を把握することが先決です。数字の記録と一緒に嬉しかったことや失敗したことなど、自分の感想も書いておくと客観的にも主観的にも自分を把握できます。